Software Transactional Memo

STM関係のことをメモっていこうと思います。

簡単に説明する とは

人に説明を求める場合、より詳しい人に説明を願いたいのは自然な事だけどそんな人たちは詳しさ故に難解な説明をしがち。

 

例えば「象って何?」と聞かれた場合に

「大きくて鼻の長い動物だよ」と答えるべきだった所を

「アフリカやアジアに済むゾウ目の動物の一種で現時点で見つかっている生態の特徴としては鼻が長く耳が大きいものが多いが中にはそれほど鼻が長くない種族もあり云々」と、長々と話してしまい興味を失わせるどころか「動物」という単語が聞き漏らされてしまうケースさえある。(実際に鼻の短い象が居るかは適当書いてるので知りません)

 

「断言を避け」て「公平に教える」というのは不特定多数に対して説明する際には大事な防御策だけれど、特定の誰かに教える際には相手のバックグラウンドまで配慮して、足りない知識を補い、ここまで知れば充分という程度を見極めて教える事が大事になる。

 

説明を見ても理解できない人が多いのは、教えるという行為が本当は双方向の会話であるのに、片方向のブロードキャストにしようとしているからかもしれない。

 

例えば何かを聞かれた場合の「ググれカス」という言葉は、返答という会話ではなくググるというブロードキャストの享受へ追いやっているわけだ。2chのような匿名な掲示板で相手のバックグラウンドを知るのは無理だし、コミュニケーションに文脈も思いやりも無くなるのは至極当然なんだけど、文脈の見えてる相手に対して同様の作法を取るとコミュニケーションに問題のある人と思われても仕方ない。

原発周りで断言を避けて御用学者呼ばわりされる人とか、顔の見えるコミュニケーションで相手のバックグラウンドを無視したタイプのコミュニケーションをしたがる人とか、具体的な実装の章に入る前に100ページはゆうにあるSTM本の前置き節を読みながらそんなことを考えていた。